クメールの探求

連子窓    NO1


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連子窓のお話





ロリュオス遺跡群のバコンです

クメールで最初のピラミット寺院 この階段状のデザイン どこから取り入れたのでしょうか?



このバコンを造るため 大量の砂岩 採掘 運送 大型寺院の建設技術
まだ 分からない事が多い クメール文化  それが面白いクメール

例えば 中央に見える伺堂 


ある日 伺堂の横で休んでいると 日本語ガイドさんが お客さんに説明を

「この伺堂  12世紀に再建されました」と

多分 シエムリアップに居ます 数百人の日本語 ガイドさん

全員 「この伺堂  12世紀に再建されました」と説明をするのでは


で 何時 再建されたのですか?




NO1


バコンの下に
二つの砂岩で造られた
細長い建物


画像 右上
バコンの中央伺堂が見えます

画像 中央に建物があり
そこにも連子窓が見えます


NO2


その細長い建物にある
連子窓



さて この連子窓の
年代は?

バコンが造られた
9世紀

いや 違います

11世紀

このバコンは11世紀
中央伺堂
二基の細長い建物
その左右にある建物
東塔門の周壁などが
バプーオン様式時
増築 又は
改築されています



NO3


その細長い建物の横に
あるリンが塔


9世紀 クメールでは
まだ リンガ塔は
現れていません


では このリンガ塔は

バプーオン様式時のものです
NO4


その細長い建物の内部に
ある小側柱



連子窓


リンガ塔


小側柱

この三点

バプーオン様式

「11世紀」のものです

すなわち
ピラミット寺院の下にある
細長い建物は
中央伺堂と同じ
バプーオン様式

「11世紀」に増築されました

参考


プレヤ コー様式

「9世紀」の

連子窓


プレヤ コーの
周壁の連子窓


細長い建物の連子窓と
比較すると
違いがあるのでは


この連子窓は向こう側の
木が見えます

細長い建物の連子窓は
向こう側が砂岩で
遮断され見えません


その様な連子窓は
10世紀の終わりから
クメールで造られる
様になります





バコンの略図  シエムリアップ州 ロリュオス遺跡群  ピラミット寺院 9世紀


略図の記載 赤の所は

 NO1 中央伺堂は伺堂が9世紀のものは廃棄され11世紀「バプーオン様式」時 再建される  
リンテル 破風飾り  小側柱 デヴァターはバプーオン様式の特徴が見られます


NO2 細長い二基の建物 連子窓はバプーオン様式の特徴を示す 小側柱もバプーオン様式


NO3 右側の建物のリンテル 小側柱はバプーオン様式 基壇はプレヤ コー様式時のもの 

  NO4 周壁
 11世紀「バプーオン様式」時に再建されたのでしょう                     



バコンにある細長い建物 二基の連子窓は 補強のためか 内側が砂岩を積み立てて補強されています

この施工方法は クメールでは9世紀 10世紀中ごろまではありません
バンテアイ スレイ様式から現れます

従って この連子窓を見て この建物は9世紀のものでは無いと思いました

この建物の付近を見ると リンガ塔  小側柱もバプーオン様式「11世紀」のものがありました

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